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これは私の日記帳であり、箱庭であり――そして、帰る場所である。

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第四話「時空を超えて、お届けします!」


  
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* 何となく魔法少女っぽい *

 ルナ達が魔法大学レンハイムの近辺を歩き回っていると、チェンと同じ色調の制服を着た少女を見つけた。栗色の前髪はきちんと揃えられ、凛々しい顔立ちをしており、チェンが言うようなだらけた性格の持ち主とは思えない雰囲気をまとっている。

「お前がビアンカか?」
「あら、あなた達は〈エレヴ〉から来たっていう……」

 どうやらビアンカは既にルナ達の情報を手に入れていたようだった。

「そうだ。私は刃神ルナ。訳あってメイプルワールドを旅している剣士だ」
「ちょうどよかったわ。コレを見て」
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 ビアンカが差し出した手には、青みを帯びた黒い石が乗っていた。ぼんやりと光を纏ったそれは、森の中で見た墓石のようなものや、街中のいたるところにある看板と似ている。

「それは……?」
「これは反魔力を凝集した反魔力石のかけらというモノよ。外のモンスターが落としたのを見たことないかしら? そしてこれ、反魔力凝集機――またの名を、I.M.S(Imaginary Magic Suspender)。これを持ってすれば、この鉱石から反魔力を集められるの」
「反魔力……? 初めて聞く言葉ですのね……。それが、この街の動力源なのですの?」
「うん。原理は難しくて私にも説明は出来ないけど、ここ〈クリティアス〉にはその反魔力を利用した魔法道具がたくさんあるの。――今、私が作ろうとしている武器も含めてね」

 ビアンカは手に持ったおもちゃの木の剣を軽く振りながらそう言った。その瞳から僅かに発せられる怒りに、ルナは気づいていた。

「で、ここからが本題なんだけど。郊外の森にいる赤く燃え上がったモンスターを退治して、この反魔力を集めてきて欲しいの!」
「……ああ。了解だ」
「ありがとう! 本当は私も自分の力でやりたいんだけどね……。ドストフおじさんに絶対に街の外に出るなって言われてるから……本当にひどいよ」

 ルナ達は反魔力を集めに街の外へと向かう。

「今回も物資集めだ。行こう、翁加」
「心得た」

 そして東側の森に行くと、禍々しい炎を放ちながら蠢く剣の姿があった。
 今回の標的である。ルナは軽々しく跳躍し、浮遊する剣に斬りかかった。

「今回の敵もたいしたこと無いな。さっさと集めよう」

 そう言いながら、ドロップした反魔力石を拾う。
 しかし、そこである違和感に気がついた。

「ん? どうした、ルナよ」
「ない……だと……?」
「何がじゃ?」
「拾ったはずのアイテムがない」
「な……」

 まさか、と思いビアンカから受け取った反魔力凝集機を展開する。

『チャージされた反魔力は 16 です』
「凝集機がしゃべった! ……ってそうじゃない! これまさか、アイテム自体の移動が出来ないのか! だとしたら全員をこの場に集めなければならないじゃないか!」
「ヴァ……」
「一旦戻ってフラネーヴェ達と合流しよう……。相当面倒なことになった」

 そして十数分経って、ようやく彼女達は森に集合することが出来た。

「この凝集機にそんなクソシステムがあったなんて……」
「でも、荷物を圧迫しなくなるしその点を考えればいいんじゃないですの? それに我々の目的はこんなヘンテコな石っころじゃないですのよ」
「う、まぁそうか……」
「とにかく、私がある程度殲滅したら、斧百合は〈マジックシェル〉を掛けてくれ。そして一人ずつ一気に回収。これでいこう」
「了解ですの!」
「ヴァ……」
「え……今のは?」

 この時になって、ようやく斧百合が翁加の異変に気づく。翁加は時折低い声でうなり声を上げるのだ。

「なんかヘヴィメタルにはまっているらしい」
「そ、そうですのね……」

 翁加本人がそういったのだから、そう信じるしかなかった。
 それに言われてみれば「ヴァ……」ってなんとなくデスボイスっぽい感じがしなくもない。
 しかし斧百合は、どことなくそわそわとし始めたのである。

「まさか……ですの」
「なにがだ?」
「いや、なんでもないですの。さっさと集めましょう」

 ルナ達は割りを食う依頼に悪戦苦闘しながらも、なんとか1人300ポイントに及ぶ反魔力を集めきった。

「みんな無事か?」
「ふぅ……さすが斧百合だ。魔法障壁のおかげで全く怪我しなかったぜ」
「それほどでもある、ですの!」
「さて、戻るか」
 ※この時ノームサーナ君は4回くらいやられました。

 ***

「持ってきてくれたのね! えへへ、必要な反魔力は揃ったから、その凝集機はあげるよ! さーてと、どんな武器を作ろうかなぁ」
「ところで、私達は〈クリティアス〉について調査しているんだ。何か知っていることがあったら教えて欲しい」
「この王国について? うーん、ごめん! あたし歴史の授業中はいつも居眠りしてたから何も知らないわ。歴史について知りたいなら官庁の書記をしているヒレルおじさんに会ってみればいいかも。たくさんのことを知っていると思うわ」
「そうか、ありがとう」
「官庁は街の西にあるわ。学校も図書館も閉鎖されちゃって、気を落としてるみたい」


 結局、ビアンカからも有用な情報を得ることは出来なかった。チェンと比べれば数倍まともな性格をしていたのでそこまで怒るほどの事でもなかったが、調査の行く末は暗雲に包まれたままである。
 ルナ達はヒレルという人物に会うために西に歩き出す。


* 抜け落ちた歴史 *

 〈クリティアス・官庁〉――街の西側には魔法大学ほどの大きさの建造物があり、建物の前に立てられた掲示板には王国民に向けられさまざまな情報が掲示されているようだ。
 そこでルナ達はヒレルと出会った。鼠色のひげと鼻毛がつながっており、フラネーヴェは出会いがしらに噴出し、今も必死に笑いを堪えている。
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「こんな時に〈クリティアス〉を訪れるとは……。それで、一体何のご用でしょうか?」
「私達はこの国を調査している。これまで色々な人々とコンタクトを取ったが、この国の歴史と私達の知っている歴史とでは数百年以上の差異が生じている」

 それを聞いたヒレルは「ばかな……」と、驚き目を丸くしながら言った。

「……暗黒の魔法使いの攻撃を受けたとはいえ、まさかそんな事態になっていたとは……。想像が付きませんね……」

 それからルナ達はこれまでの経緯を加えながら、外の世界についての情報をヒレルに伝えた。ヒレルにとっては信じられない言葉の数々だったが、彼はその全てを真摯に受け止めていた。

「……ということで私達は今ここにいる」
「今でも信じられませんが……。確かにあなた方のいた時代はここよりも未来でしょう。……いや、暗黒の魔法使いの攻撃を受けたのは〈クリティアス〉ですから、“こちら側の時間が止まっていた”といったほうが正しいですな。問題なのは、我々が外の世界でどれだけの出来事が起きたのか、何一つ知らないということ。人々の記憶から〈クリティアス〉に関する情報が消えるくらいですから、相当長い年月が経っているのは間違いありませんが……」

 この人物、書記を務めるだけある――ルナは心の中でそう思った。にわかには信じられない事実に直面したうえで、自らの問題を並べ、解決への糸口を手探りではあるが探している。
 並大抵の人間では出来ないことだ。
 しばらく考えをめぐらし、何かを思いついたのかヒレルは口を開いた。

「ルナさん達にお願いがあります。これからわが国の歴史書を一冊お渡ししますので、これを〈エレヴ〉に届けていただけませんか? そしてこの歴史書から途絶えた部分――すなわち〈クリティアス〉の抜け落ちた歴史に関する資料を持ってきていただきたいのです」
「わかった。待っていろ」
「これをお使いください。この魔法玉を使えば、〈エレヴ〉や〈クリティアス〉に転移することが出来ます」
「へぇー。用意がいいじゃん」
「できるだけ急いで戻ってくる。それじゃ」

 ルナ達は魔法玉の光に包まれ、〈エレヴ〉へと飛び立った。


 ***


 まぶしい光が消え、目を開くと視界には豊かな自然が映る。〈エレヴ〉に転移したのだ。蒼穹には鳥達が舞い、どこからは川の水が流れる音が聞こえる。
 その島は、空に浮かぶとは思えぬほどの暖かさにみちていた。
 島の東にある騎士団の殿堂にルナ達は向かった。

「ナインハート、ちょっといいか」
「おや、ルナさんではないですか。王国の調査はどうでしょうか」

 ルナが声を掛けたのは〈エレヴ〉の宰相――女王の代わりに執務を代行している、いわば〈エレヴ〉の代表者だ。
 
「ああ。ここにはその件で来た。これを見て欲しい」
「これは……。歴史書? しかも数百年前の……! どうしてここまで状態が良い物をあなたが?」
「それは〈クリティアス〉で渡せと頼まれたものだ。代わりにこちら側の歴史書を持ってこいと頼まれている」

 ナインハートは手渡された〈クリティアス〉の歴史書を見て、心底驚いている様子だ。

「……暗黒の魔法使いに関しての記録は、殆どが残っていません。長い年月が経っているし、しかも戦時中にその多くが渦中に飲まれ、燃えてしまいましたからね。これは〈クリティアス〉に関しても同じです」
「うーん……そうか。そう伝えてくるよ」
「ただ――」
「……?」
「とある過去の記録に〈クリティアス〉かと推測出来る一文があります。そこには『暗黒の魔法使いに抵抗した見せしめとして、一夜で消えた王国があった』とだけ記されています」
「まさか……」
「そうです。表現が難しいですが……、今の〈クリティアス〉は、“現在の時間軸に存在する、過去の王国”ということです。過去を生きる人々が、未来について知りたがるのは当然のことでしょうね」

 過去の王国が、現在に転移した――?
 ルナは茫然とその事実を受け入れるしかなかった。

「これまで色々な経験をしてきましたが、まさか王国ごと時間を超越するとは……。本当に驚きました。ルナさん達は引き続き調査をお願いします。なぜ暗黒の魔法使いは〈クリティアス〉を攻めたのか? そして何故城が空に浮かび上がったのか? 突き止めるべき事はまだたくさんあるのですから」
「……ああ」

 一国の時間軸を歪ませる程の魔法使い。ルナ達が相手にしようとしている敵はあまりにも強大だった。
 それを実感したルナの頭に、ナインハートの言葉はしっかりと入ってこなかった。
 頭の中を冷たい鎖が蛇のように這い回っている感覚がして、ルナはすぐにそれを振り払った。


 続く!




※反魔力凝集機(I.M.S)の正称(Imaginary Magic Suspender)は適当に中の人が考えました。

 クリティアスの前提……長い。5キャラ同時進行で進める前提クエストが、ここまで大変だとは思いもよらなかった。
 まぁ、効率的なレベリングのためなので仕方がない。連休に入ったのでさっさと終わらせちゃいます。
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[ 2015/12/18 21:47 ] メイプルストーリー クリティアス | TB(-) | CM(0)
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プロフィール

オノユリス!

Author:オノユリス!
1993年10月11日生まれ。
性別は男です。

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