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これは私の日記帳であり、箱庭であり――そして、帰る場所である。

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第五話「詐欺に掛かる吊り橋」


  
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* 王宮の生き残り *

 ルナ達は〈クリティアス〉に戻り、ナインハートから預かった書物をヒレルに渡した。

「待っていました! これが〈クリティアス〉の失った空白の時間!」
「〈クリティアス〉に関しての情報は殆ど消失してしまっているらしい……」
「なるほど……しかしこれで大体の状況は把握することが出来ます。しかし問題は、あの空に浮かぶ王宮です。我が王国は魔法の伝統が長く続いていますが……それでもあんな魔法は見たことがない。第一、目的もはっきりしない」

 王国の中心の空から、不気味に顔を出す逆さまの城。ヒレルはそれを眺めながら溜息を漏らす。

「せめて当時の状況が分かればいいのですのに……」
「……実は、王宮にいた方達は現在街の市場に避難しているのです。彼らを訪ねれば城が空に浮かんだ当時の状況について話を聞けるかもしれません」

 ヒレルはもどかしそうにそう告げた。城がこんな惨事になれば、まず責められるのは王宮にいた者達だ。だからその事はずっと隠すつもりでいたのだ。
 しかし時間を超えたという前代未聞の災害に直面し、渋々真実を明かす事にした。

「……なるほど。行こう、市場に」
「王宮の方達のいる市場は王国の北にございます。王族達は宿に集まっているはずです。その中には……王女様もいますので……。どうか、内密に……」
「わかっている」

 ルナ達は北の市場へすぐに向かった。
 宿の看板は目立つところにあり、扉に向かって進もうとした瞬間。

「……おい、ルナよ」
「ああ……。わかってる」

 翁加とルナは、何者かに監視されている事にすぐに気づいた。
 殺意はないようだが、その者がルナ達をよく思っていないことは、背筋を走る寒気から容易に察することが出来る。

「……誰かがこっちを見ていますね」

 それまで無口でいたノームサーナが、この時言葉を発した。

「お前、よく気づいたな……」
「…………」

 しかしそれ以降、再びノームは無口になった。
 ノームも翁加と同じ――いや、それよりも早くにその存在に気づいていたのだ。
 この研ぎ澄まされた感覚は、ビーストテイマーに就職したためのものなのだろう。ルナはその時、そう“勘違い”をしていた。

「とりあえず、街中で争いを起こす気はないようだし。このまま宿に入ろう」

 ルナ達は宿屋に入る。一階のフロントに、王族と思わしき集団が見受けられたが、声を掛ける前に受付の女に捕まってしまった。

「申し訳ありません。当店は現在満席でして……」
「いや、私達は客として来たのではない。そこにいる者達と話をしたくてな」

 ルナがそういうと、派手な服を着た少女は心底不安げな表情を彼女に向ける。
 元々良い暮らしをしていたからか、どこか居心地が悪そうだ。

「……! だ、誰ですか? わ、わたしは何も知りません!」
「いや、私達は――」
「お待ちを。どなたかは存じませんが、王女様にむやみに近づくのはおやめください」

 そういってルナ達を制止したのは、召し使いの格好をした老婆だった。

「王女様は避難生活で大変疲れていらっしゃいます。用件があるのならば正式に謁見を要請してもらえないかしら」
「え、謁見要請だと……?」
「そうです。普段ならば王宮官吏たちの複雑な手続きを経て許可が下りるのが王族の謁見――ですが、城があんな風になり避難生活を余儀なくされている現状、そんなことを望むのは無理があります。それに急に城を離れなければならない状況で物資も不足して……。あっ、そうだわ」

 召し使いの老婆は何かをひらめいたようで、他の者と同じような眼差しをルナ達に向けた。 この時点で、嫌な予感しかしなかった……というより、これはもう確定事項。逃れられない運命《カルマ》――。

「今申しましたように、私達は急いで城から逃げてきました。そのおかげで今私達はとっても大変な状況に置かれているの。……そこで。もし、あなた達がこの困難な状況を助けてくださるのなら、王女様との謁見を考えて見ますけど。どうでしょう?」
「……何をすればいい」
「ふふ、ありがとうございます。森にいる堕落した中級魔法使いを倒して、衣の切れ端を150個ほど集めてきてください」

 150個とはつまり、750個である。150 = 750;
 翁加の脳内コンパイラはエラーを吐き続けていた。

「ヴァア……」

 翁加のデスボイスと共に、召し使いのお使いが始まった。

「クソ……こいつらはなんでモンスターになったんだ。元々は普通の魔法使いだったんじゃないのか?」

 森のはずれ、堕落した中級魔法使いが大量に出現する場所で、衣の切れ端を集めながらルナは愚痴を零す。
 結局、750個もの切れ端を集めてしまった。所要時間は20分ほど。結構単調な仕事である。

「ヴァ……」
「あの召し使い……絶対人遣い荒いだろ……。これだけで謁見させてくれるとは到底思えん」
「ヴァア……」

 ルナ達も度重なる“お使いイベント”に苛立ちを覚え始めていた。
 そもそもこんな布切れを何に使うんだよ。なんでわざわざ堕落した魔法使いから取るんだよ。明らかやばそうだろ。他にもっと調達ルートあったはずだろ。バカかよ。


 ***
 

「……もってきたぞ」
「感謝いたします。これで今必要な布地は用意出来たのですが……。思ったより時間がかかりませんでしたね……。これからどうすればいいかしら……」

 召し使いの老婆は何か思い悩んでいる様子だった。
 次は何を頼もうかと考えている者とは少し違って、何かに焦っているような雰囲気がある。

「おい、どうしたんだ」
「……仕方ありません。ルナ様、申し訳ありませんが布地だけでは足りません。壊れた柄(赤)を150個集めてきてくださいますか?」
「は? 謁見を許可してくれるんじゃなかったのか!」
「思ったよりルナ様達が早く戻ってきてしまって……いえ、なんでもありません。王女様にお会いするためにはそれだけの真意を証明しなければなりません。ですので、頼んだものを持ってきていただけないのであれば、謁見は許可できません。どうしますか?」
「……わかったよ。すぐに集めてくるから待っていろ」
「ヴァアアアアアアアアアア!」

 その時突然、翁加がこれまでにないほどの大音量でデスボイスを発する。
 その場にいた多くの者が驚き、それに目をやった。

「おい、翁加! どうしたんだ! 今日のお前、いつにも増してやばいぞ!」
「ヴァアア……! ヴァアアアア!」
「や、やっぱり……」

 斧百合が、何か心当たりがある様子で慌てふためいている。

「何か知ってるのか? どうなってるんだこいつは! 頭大丈夫か!」
「じ、実は……――。翁加は、精神にあまりにもストレスが蓄積されると、デスボイスで発散してしまう癖があるですの……!」
「ヴァアアアア……!」

 Ω ΩΩ< な、なんだってー!

「い、一体どうすれば元に戻るんだ!」
「わ、私にもわかんないですの! 以前こうなったときは、弱いモンスター相手にひたすら無双させてたら元に戻ったんですの……」
「うわあ……」

 この場には翁加が余裕で処理できるほどの弱いモンスターはいない。

「ヴァア!」
「……コレ、正気は保っているのか?」
「た、たぶん……ですの。おーい、翁加」
「ヴァ!」

 返事はするようだ。ただ、目は大きく見開き、口から小さい舌を変な方向に曲げながら突き出しているその姿は、決して公衆の面前に晒して良いものではない。
 しかし、そう言っていられる状況でもなかった。

「うーん……。頼みごとはさっさと終わらせたいし、やむをえん。しばらくこの状態で先に進もう。……万が一の時があったら、その時は斬り伏せる――」
「ヴァァ……」

 かくして、ルナ達は頼まれたものを集めるために森へ向かった。

「750個って結構大変なイメージあるけど、意外と慣れてきたな」
「ブッチッパッドゥドゥヴァアアアアアアアアア!!!」

 翁加の症状は悪化していた。ルナはそれを憐れみに満ちた眼差しで見ることしか出来なかった。

「よし、集まったな! もどろう!」
「Inside, the cracked cold worrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrld !!!」
「お、おい翁加……落ち着けって」
「you see that fire burns your mind !!!!!!!!」
「gonna take off」
「okay」

 こうして宿屋に戻ってきたルナは、依頼されたものを召し使いに渡した。

「感謝いたします。しかしどうしたものでしょうか……」
「まだ何かあるのか……?」
「fu** the angels of grave ! vaaaaaaaaaaaaaaaaaaaar!」

 翁加の惨状を見て、斧百合たちは茫然とするしかなかった。
 果たして目の前に居るのは本当に陰陽師なのか。根本的な疑問が彼女達の脳裏に浮かび上がる。

「で、これで謁見は許可してくれるか?」
「……王女様はお疲れのようで、今日は謁見を許可する事は出来ません。また後日にしてくださらないかしら」
「いい加減にしろ! 二度も頼まれたものを持ってきたじゃないか!」
「仕方ないでしょう。まさか、精神的にも疲弊している王女様をこれ以上苦しめるおつもりですか? お帰りください」
「ふざけるな……」
「何度も頼みを聞いてくださり感謝しています。あなたにクリティアス王家の御加護がありますように」

 結局、王女との謁見は許可されることがなく、調査の雲行きが怪しいまま宿屋を後にすることになってしまった。
 淡々とした召し使いの物言いを思い返すたび、良心は怒りで煮えたぎる。ルナだけでなく全ての者がそんな状態になっていた。

「クソッ! こんな宿屋私の剣戟を持ってすれば一瞬で粉々に出来るんだぞ!」
「落ち着くですの、ルナ……。ここで敵対する行動を起こせば、調査どころの話ではなくなってしまいますですの……」
「ぐ……」
「あのー。ちょっといいですか?」

 その時、背後からローブを被った少年に声を掛けられた。

「……なんだお前は。私は今機嫌が悪いんだ。余計な事を言ったら斬るぞ」
「す、すみません。ボクはイアン。王宮の侍従職を勤めています。さっきのメイド長とのやり取りを聞いていまして……。ボクにいい考えがあるんです。少しいいですか?」
「なんだって……?」

 現れた少年は、ルナ達にニッコリとした笑いを向けた。


 続く!!





 ストーリーをまとめつつ、時には矛盾点を当たり障りのないように改変しつつ。
 それに加えて5キャラ同時進行での前提。
 メッチャツライ。しかも第三者視点で書く小説はまったくもって慣れていない。
 個人的にはかなり書きにくい。どうしても心理描写が曖昧になってしまう。

 ちなみに中の人は連休に入った。バイトもしてないので暇である。が、この暇な時間を有効利用したいところ。
 もうすぐシュウカツ!が始まるので。色々な企業を調べないとね。
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[ 2015/12/19 18:54 ] メイプルストーリー クリティアス | TB(-) | CM(0)
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プロフィール

オノユリス!

Author:オノユリス!
1993年10月11日生まれ。
性別は男です。

趣味のゲームや小説について書いていきます!



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